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eSIMとは?SIMカードとの違いやメリット・デメリットについて

eSIMとは?SIMカードとの違いやメリット・デメリットについて

現代のスマートフォンやタブレットに入っているSIMは、通信サービスを利用するために必須の存在です。

従来のカード型の「通常SIM」に加え、最近ではデジタル化された「eSIM」が普及し始めています。

この記事では、通常SIMとeSIMの違いを解説し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

また、eSIMの開通手順や、どのような人に使用が向いているかも合わせて紹介します。

通常SIM・eSIMとは

通常のSIMはSubscriber Identity Moduleの略称で、カード型になっておりスマートフォンやタブレットのSIMスロットに挿入して使用します。

SIMには加入者の電話番号や識別IDなどが記録されており、このカードをセットすることで通信が可能になります。

eSIMはEmbedded SIMの略称で、「埋め込み式SIM」のことを指します。

通常SIMとは異なり物理的なカードではなく、端末に内蔵されているデジタルチップによりSIM機能を提供します。

これまでSIMといえばカードを抜き差しして使えるものでしたが、手続きが簡単なことやカードをなくす心配がないことなどから、2021年に総務省が「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」を策定するなど、最近積極的に普及が推進されています。

そのため、今後SIMではなくeSIMを利用する、という人が増えていくことが予想されます。

通常SIMとeSIMの違い

通常SIMとeSIMの違い

ここまで通常SIMとeSIMについて解説しましたが、両者は以下の項目で違いがあります。

  • 形状
  • 開通までの手続き
  • 複数回線が利用できるかどうか
  • 対応端末や通信キャリア
  • セキュリティリスク

両者の違いを表にまとめました。

項目通常SIMeSIM
形状カード型でスマホやタブレットに差し込む端末に内蔵されている
開通までの手続きSIMカードの郵送に数日かかる最短即日で開通できる
複数回線が利用できるかどうか基本1端末につき1回線の利用複数の回線を1つの端末で利用可能
対応端末や通信キャリアほぼ全ての端末とキャリアに対応対応端末とキャリアが限られている
紛失リスク紛失・盗難のリスクがあり、SIMカードの物理的破損の可能性も物理的なカードがないため、紛失リスクが低い

カード型の通常SIMと端末内蔵型のeSIMには開通までの所要時間や対応端末・キャリアなどに違いがあります。

eSIMの利用がおすすめの人は以下で紹介しますが、すぐに回線を開通したい人やSIMカードを失くすのが心配な人は特にeSIMの利用がおすすめです。

eSIMのメリット

eSIMのメリット

通常SIMとeSIMの違いを踏まえると、eSIMには以下のようなメリットがあります。

手続きがオンラインで完結する

eSIMは物理的なカードを必要としないため、SIMカードの配送を待つ必要がありません。

すべての手続きがオンラインで完了でき、通信キャリアのウェブサイトやアプリを通じて簡単に契約ができます。

新しく契約する人はショップに行ったり、郵送されるカードを待ったりするのが面倒という方にとっては非常に利便性が高いと言えるでしょう。

最短即日で使い始められる

eSIMはキャリアと契約後、プロファイルを端末にダウンロードするだけで開通が可能です。

SIMカードが配送されてくるのを待つ必要がなく、最短で契約当日に通信を開始できます。

そのため、急ぎで通信を開始したい場合や、旅行先で急遽SIMが必要になった際にも非常に便利です。

複数回線を切り替えながら使える

eSIM対応端末では、複数のキャリアのプロファイルを保存し、必要に応じて回線を簡単に切り替えながら使うことができます。

プライベートとビジネス用に異なるキャリアを利用したり、国内外で異なるプランを使い分けたりする場合に活用されることが多いです。

特に会社で携帯を使用する場合、会社は端末料金を負担せず回線料金だけ負担すれば良いので、経費削減につながるのは大きな魅力でしょう。

eSIMのデメリット

eSIMのデメリット

eSIMにはたくさんのメリットがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

一方で、eSIMには以下のようなデメリットもあるため、理解した上で利用すると良いでしょう。

対応端末が限られている

eSIMに対応している端末は増加する傾向にありますが、すべてのスマートフォンなどで利用できるわけではありません。

特に、古い端末や一部の低価格モデルではeSIMに対応していないため、端末購入時に対応機種を確認する必要がある点には注意しましょう。

対応キャリアが限られている

eSIMはすべての通信会社が対応しているわけではありません。

特に、地域や国によってはeSIM対応キャリアが少なく、希望するキャリアのサービスを利用できないことがあります。

また、一部のキャリアでは、eSIMに対応しているプランや料金設定が物理SIMと異なる場合もあるので事前によく確認しておくようにしましょう。

SIMカードより設定が複雑

eSIMの設定は、少し複雑な場合があります。

QRコードをスキャンしてプロファイルをダウンロードしたり、キャリアごとに具体的な手続きが異なったりする場合があるので、設定に慣れていない方にとっては難しいと感じる可能性があります。

SIMのメリット

SIMのメリット

通常SIMには以下のようなメリットがあります。

さまざまな端末に対応している

SIMカードは多くのスマートフォンやタブレットなどに対応しています。

例えばSIMフリー端末を購入すれば、どのキャリアのSIMカードでも挿入して利用できるため、端末選びの自由度が高いです。

そのため、自分が使いたい端末にこだわりがある人には適していると言えるでしょう。

SIMカードを差し替えるだけで端末交換ができる

物理的なSIMカードは、端末交換時にカードを入れ替えるだけで、簡単に新しい端末で既存のキャリア契約を継続して使うことができます。

機種変更や端末故障の際にも、SIMカードの差し替えのみで通信環境が復元されるので、柔軟性に優れているのが大きな魅力です。

キャリアの自由度が高い

SIMカードは、先ほど説明したようにほとんどの機種に対応しているだけでなく、携帯キャリアもほとんど全てが利用可能です。

そのため、契約期間が終了した際に、別のキャリアのよりお得なプランに乗り換えたり、旅行や出張の際に現地のキャリアのSIMを利用したりといった自由度の高い選択が可能になります。

また、SIMカードを差し替えるだけで面倒な手続きなく簡単に以降できるため、オンラインでの手続きが苦手な方には良いでしょう。

SIMのデメリット

SIMのデメリット

通常SIMには以下のようなデメリットがあります。

紛失のリスクがある

SIMカードは小さな物理的なチップなので、うっかり落としたり紛失してしまうリスクがあります。

仮に紛失した場合は、再発行手続きを行う必要があり、手間や費用がかかることがあります。

万が一落としてしまうと他人に悪用される危険性もあるため、慎重に管理する必要がある点に注意が必要です。

SIMカードが届くまで時間がかかる

新しいキャリアと契約した際や、SIMカードの発行時には、物理的なSIMカードが自宅に配送されるまで待つ必要があります。

配送には数日かかることが一般的で、その間にすぐに通信を開始することができません。

また、配送状況によっては遅延することもあるため、急ぎで使いたい場合には不便です。

複数回線の同時利用ができない

通常のSIMカードを使用する場合、基本的に1台の端末で1つの回線しか利用できません。

例えば、仕事用とプライベート用で別々の回線を使いたい場合、端末を2台持つか、デュアルSIM対応の端末を用意しなければなりません。

端末を複数持つと紛失のリスクが高まったり、荷物が増えて不便になったりするため注意が必要です。

eSIMの開通手順

eSIMの開通手順

eSIMの開通は通常のSIMカードと異なり、オンライン手続きがメインとなります。

eSIMは物理的なSIMカードが不要なため、プロファイルのダウンロードと設定だけで、短時間で回線を開通できるのが特徴です。

ここからは、基本的なeSIMの開通手順について解説します。

eSIM対応端末か確認する

eSIMは全ての機種で利用できるわけではありません。

2024年9月現在対応している機種の例としては、iPhoneSE(第3世代)、iPhone13以降、GalaxyS23やAquosR8などがあります。

eSIMを使いたい場合は、事前に自分の機種が対応しているかを確認してから開通手続きを行いましょう。

回線切り替えを行う

端末を確認したら、回線切り替え手続きを行います。

これはオンラインで完了することがほとんどで、契約している通信事業者の公式サイトなどを通じて進めていきます。

他社から乗り換えるという場合は、電話番号を引き継ぐために必要なMNP予約番号や、SIMロック解除など別途手続きが必要になる可能性があるため、事前に必要かどうかを確認しておくとスムーズに手続きを進められるでしょう。

eSIMのプロファイルをダウンロードする

eSIMの開通手続きでは、通信事業者から提供されるQRコードをスキャンして、eSIMプロファイルをダウンロードするのが一般的です。

プロファイルは、端末が通信事業者のネットワークに接続するための設定情報が含まれており、このプロファイルを端末にインストールすることで回線が利用可能になります。

ネットワーク設定を行う

eSIMプロファイルがインストールされた後、最後に端末のネットワーク設定を行います。

機種によっては自動で設定が完了する場合もありますが、APN(アクセスポイント名)などの設定が必要なこともあるため、通信事業者が提供する指示に従い必要なネットワーク設定を行いましょう。

eSIMの使用がおすすめな人

eSIMの使用がおすすめな人

複数のSIMを使いたい人

eSIMは、1台のスマートフォンやタブレットに複数の回線を登録できます。

そのため、「仕事用とプライベート用で回線を分けたい」「通話とデータ通信でキャリアを分けたい」という需要を持つ方でも、端末を分けることなく2つのSIMを利用できます。

このように、1つの端末で複数SIMを使いたい、複数回線を使いたい、という方にeSIMは適していると言えるでしょう。

海外出張や海外旅行が多い人

海外出張や海外旅行を頻繁にされるという方にもeSIMはおすすめです。

通常のSIMカードだと、旅行先や出張先の国で現地のSIMカードを購入し、端末に差し替える必要がありますが、eSIMの場合はその手間がありません。

SIMの利用のために時間をかけることなくオンラインで手続きを終えられるので、海外での通信利用がスムーズになるでしょう。

SIMカードの管理が面倒な人

eSIMは物理的なカードではないため、SIMカードの紛失や破損、差し替えの手間がかかりません。

通常のSIMカードは非常に小さく、扱いが面倒になることが多いですが、eSIMならデバイス内で全ての設定が完結するため、SIMカード自体の管理が不要です。

また、端末を複数持っている人でも、eSIMならば切り替えが簡単にできるため、効率的に複数の端末を管理できる点も魅力です。

通信をすぐに使い始めたい人

新しいSIMカードが手元に届くまで待つ時間が惜しい人にもeSIMは非常におすすめです。

例えば引越しや転職など、急にSIMの変更が必要な状況が発生したときでも、オンラインで手続きが完結するので最短でその日からSIMを利用できます。

仕事やプライベートなどで、1日でもスマホが見れないと困る人は多いため、即日開通できるのは非常に嬉しい利点と言えるでしょう。

環境に配慮する人

eSIMは物理的なカードを使用しないため、環境にも優しい選択肢です。

物理SIMカードを製造する際に必要なプラスチックの使用を削減できるのに加え、カードの配送にかかるエネルギーや人件費を節約できます。

まとめ

ここまで、通常SIMとeSIMの違いやそれぞれのメリット・デメリット、eSIMの開通手順や、どのような人にeSIMが向いているかについて紹介しました。

通常のSIMとは異なり、契約後即日で開通できるのに加え、紛失リスクも低く、仕事やプライベートなどでの複数回線の使い分けも容易なeSIMは今後ますます普及していくことが予想されます。

特に、複数回線を一台の端末で使い分けたい人や、海外に行くことが多い人は検討してみてはいかがでしょうか。

まだ普及途中のため対応端末やキャリアに限りがあることに留意しながら、ぜひeSIMを活用してみてください。

よくあるご質問

eSIMの使い方とは?
以下手順でeSIMを導入します。
  1. 設定
  2. ネットワークとインターネット
  3. モバイルネットワーク
  4. SIMのダウンロード(eSIMの追加)を実行
  5. QRコード読み取り
  6. サービスの有効化
  7. AIMの使用をオン
  8. 再起動

この記事の監修者

出張スマホ修理会社の株式会社GOREPAIR代表「森井」

株式会社GO REPAIR 代表 森井優介

5年以上スマホ修理業界に従事する中で、スマホのプロが日本全国誰の近くにもいる社会を作りたいと考え、ゴーリペア設立。
さらにスマートフォンのプロをより身近に増やすことで、修理はもちろんのこと「もっと快適に使えるように」「大きなトラブルにならないように」したいという想いから、スマホ修理資格の確立したGOリペア協会の代表も兼務しており、スマホ修理業界をけん引している。