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スマホバッテリーが劣化したらどうする?寿命の見極め方と延命の秘訣
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現代人にとって、スマートフォンは日常生活に欠かすことができない必須のアイテムになっています。
しかし、購入から1年〜2年が経過すると、誰もが一度は経験する「充電の減りが早い」という悩みが発生します。
これは、スマホの心臓部である「バッテリー」が徐々に劣化しているサインに他なりません。
ここでは、スマホバッテリーが劣化する原因や、スマホバッテリーの平均寿命、そしてバッテリーを長持ちさせる延命方法などを解説します。
Contents
スマホに使用されているリチウムイオンバッテリーは、充電と放電を繰り返すことで必ず劣化が進む消耗品です。
劣化が進むことで、バッテリーが「へたる」などと言いますが、使用すればするほど劣化するので、この劣化のメカニズムと劣化を加速させる要因を知ることが、スマホを快適に使い続けるための第一歩となります。

バッテリーには、使用期間や使用期限などはありませんが、放電サイクルによる寿命と劣化してくると発生するサインがあります。
それぞれについて見ていきましょう。
リチウムイオンバッテリーの寿命は、「充放電サイクル」で数えられます。
これは、バッテリー残量0%から100%までの充電を1回と数える指標です。
一般的なリチウムイオンバッテリーは、約500回〜1,000回の充放電サイクルで使用すると初期容量の80%程度まで性能が低下するとされています。
多くのユーザーの実感とメーカーの公表値から、スマホのバッテリーが本格的に寿命を迎えるのは約2年〜2年半が目安となります。
この時期を過ぎると、日常生活に支障をきたすほどのパフォーマンス低下が見られ始めます。
そのため、一般的にメーカーは2年を超えたスマホに関しては交換を推奨してきます。
一方で、内閣府経済社会総合研究所景気統計部がリリースした「消費動向調査 令和5年3月実施調査結果」によると、スマホの平均使用年数は4.4年となっています。
スマホは安価な商品ではないので、バッテリーが劣化したからといってすぐには交換はせずに、故障などのタイミングを見て取り替えている方が多いようです。
スマホを使用している際に、以下の症状が複数現れたらバッテリー交換の検討時期です。
| 劣化サイン | 具体的な症状 | 潜むリスク |
|---|---|---|
| 充電の減りが異常に早い | 満充電から数時間で容量が半減する、または急激に%が低下する(「バッテリーの急降下」)。 | 外出先での電池切れ、使用中の突然のシャットダウン。 |
| 本体の異常な発熱 | 充電中や使用中に、スマホがカイロのように熱くなる。 | バッテリーの膨張により、内部基板へのダメージや最悪の場合発火の恐れあり。 |
| 動作の重さ(カクつき) | アプリの起動が遅い、スクロールがスムーズでない、カメラ起動に時間がかかる。 | 劣化が進むとCPU性能を意図的に抑制する「パフォーマンス調整」がおこなわれるため、スマホの操作感が著しく低下する。 |
| 残量が残っているのに電源が落ちる | 20%や30%残っている状態で突然シャットダウンする。 | バッテリーが供給できる最大電力が不足している。 |
| 充電に異常に時間がかかる | 満充電まで数時間以上かかる。 | バッテリー内部の化学変化がスムーズにおこなえていない。 |
| スマホ本体の膨らみ | 画面と本体の間に隙間ができ、背面パネルが浮いている。 | 非常に危険な状態で、バッテリーが膨張している証拠になります。 すぐに使用を中止し、修理の必要あり。 |

バッテリーの劣化は避けられませんが、その速度を早めてしまう「NG行動」があります。
リチウムイオンバッテリーは、高温に非常に弱い特性を持ちます。
高熱の状態で利用し続けると、電極材質の劣化を早めることに繋がります。
以下のような環境での使用は、できれば避けておきましょう。
夏の車内や直射日光下でスマホを放置しておくと、スマホ内部の温度は短時間で50℃を超えることがあり、バッテリーへ深刻なダメージを与えます。
また、お風呂場で使用する場合には、湿度も苦手ですが特に熱い湯気や室温がバッテリーに負荷をかけるので注意が必要です。
充電中は、電流が流れることで自然に発熱します。
その状態でゲームや動画視聴などの高負荷な作業を行うと、相乗効果でスマホが許容範囲を超えて熱くなり、劣化が加速します。
特に近年のゲームなどは、高画質でメモリを消費しやすいのでスマホが熱を帯びやすい環境となるので、遊びながらの充電は控えておきましょう。
過度な充電や、極端な状態での放置はバッテリーに負担をかけます。
充電中に以下の状態で放置するのは劣化を早めることに繋がります。
バッテリーは「80%〜20%」の間で使用するのが最もストレスが少ないとされています。
100%になった状態でさらに充電を続けてしまうと、バッテリー内部の劣化につながります。
最近のスマホには「充電最適化機能」が搭載されているので、利用されていない方は活用するとよいでしょう。
バッテリー残量が0%になった状態で長時間放置すると、「過放電」状態となりバッテリーの寿命が急激に縮まります。
また、完全に使い切ってからの充電(フルサイクル充電)の際には、思わず最大値まで充電したくなりますが、これがかえってバッテリーに負担をかけるため避けるべき行動のひとつです。
非正規の充電器やケーブルの使用も、あまりお勧めできるものではありません。
安価なのでつい購入しがちな非純正品は、スマホが必要とする電流・電圧を正しく制御できていない場合があり、発熱やショート、最悪の場合発火のリスクを伴うケースもあります。
特に安価な海外製品などは、記載されている規格と異なることもあるので要注意です。
必ず、メーカー純正品またはMFi認証などの信頼できる認証を受けた製品を使用しましょう。

バッテリーの劣化速度を緩やかにし、スマホを長く快適に使うための具体的な対策をご紹介します。
基本的な考え方として、前述でもご紹介したように満充電(100%)や完全放電(0%)の状態を避けて、バッテリー残量を20%から80%の間で保つことを意識しましょう。
特に寝る前の充電は、100%になった後も長時間電流が流れ続けるため、タイマー機能やスマートプラグを活用するのも有効です。
充電中は、負荷の高いゲームや動画の編集は避け、スマホが熱を持ち始めたらすぐに充電を中断しましょう。
また、スマホは落下させると壊れやすい傾向にあるので、厚めの保護カバーなどを着用していることがあります。
このカバーが熱を保ってしまうので、充電時はスマホカバーを外して放熱を助けるのも効果的です。
スマホの設定を一度見直すのも有効です。
バッテリーを消費する機能を見直すことで、放電の速度を緩め、充電回数を減らすことができます。
具体的にオフにするとバッテリーが長持ちする機能は、以下のようなものがあります。
| 設定機能 | 対処方法 |
|---|---|
| 画面の明るさの自動調整 | 細かく明るさを調整することが逆にバッテリーの消費を増やすことにもなります。 手動で暗めに設定する、または設定を見直すとよい。 |
| バックグラウンドアプリの更新 | 必要ないアプリはオフにしたり削除する。 |
| 位置情報サービス(GPS) | 常時利用を避け、必要なアプリのみ「使用中のみ許可」にする。 |
| Wi-Fi・Bluetooth | 使わない時はオフにすることで、待機電力を少なくする。 |
| 自動ロック(画面オフ)の時間 | 短めに設定する。 |
スマホの設定画面で、どのアプリがバッテリーを最も消費しているかを確認することができます。
消費の激しいアプリは、使用頻度を見直す、使っていないアプリは完全に終了(タスクキル)させるなどこまめにおこなうことでバッテリーの消費を少なくします。
定期的に不要なアプリをアンインストールし、ストレージ容量を確保することでバックグラウンドでのバッテリー消費を減らせるので劣化を遅らせることができます。
スマホメーカーは、OS(オペレーティングシステム)のアップデートの際に、バッテリー効率を改善するための修正プログラムを含めていることが多くあります。
アプリ同士の相性がよくないために、バッテリーの無駄な消費なども発生することがあるので、常に最新のOSにアップデートして使用しましょう。
スマホを長期間使用しない場合(予備機など)、バッテリー残量を50%程度にして電源を切り、涼しい場所に保管しましょう。
0%や100%で放置すると、前述のように劣化が大幅に進みます。
バッテリー残量が少ない時だけでなく、日常的に「省電力モード」や「低電力モード」を活用することで、CPUの動作速度やバックグラウンドの処理を制限し、消費電力を抑えることができます。

どれだけ注意していても、バッテリーは必ず寿命を迎えます。
前述のような劣化サインが見られたら、快適なスマホライフを取り戻すためにバッテリーの「交換」という選択肢を迷わず選びましょう。
特にスマホ本体が膨らんでいると感じた場合(画面の浮きや背面パネルの変形)、これはバッテリーが異常なガスを発生させている危険な状態です。
放置すると画面割れや内部基板の損傷、発火につながる可能性があり、非常に危険です。
すぐに使用を中止し、電源を切ってお近くの修理専門店にご相談ください。
バッテリー交換の依頼先は、主に「メーカーやキャリアなどの正規店」と「街のスマホ修理専門店(非正規店)」の2種類があります。
それぞれでの対処方法を見てみましょう。
| 項目 | 正規店(メーカー・キャリア) | 街のスマホ修理専門店 |
|---|---|---|
| 修理部品 | ・基本的に純正部品で取り換え修理 | ・純正品もしくは互換性のある高品質な部品を使用 |
| データの扱い | ・修理時に初期化が必要な場合が多い ・適切なバックアップを取らないとデータ消失リスクあり | ・基本的にデータはそのままで修理可能 |
| 修理時間 | ・数日〜数週間かかることが多い | ・在庫があれば即日修理、最短数十分で完了 |
| 保証 | ・保証期間内であれば無料の場合がある ・メーカー、キャリアの保証プランに加入すると安価で修理対応 | ・修理箇所に独自の保証が付く |
| 費用 | ・メーカー、キャリアの保証プランに加入していない場合には、やや高めになる傾向がある | ・比較的安価な費用で交換可能 |
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忙しいビジネスマンの方や、深夜に急にスマホが故障してすぐに修理の必要がある方も、その日のうちに大切なスマホを元通りに復活させることができます。
スマホの故障で困った際には、頼れる街の修理屋にご連絡してみてはいかがでしょうか。
バッテリー交換は、スマホのパフォーマンスを一気に初期状態に近づける最も有効な手段です。
具体的なメリットは、以下のようなものがあります。
一番のメリットは、駆動時間が購入当初の状態に戻ることです。
バッテリーの減りが早すぎると、常にモバイルバッテリーを持参したり、充電残量のことを気にしながらスマホを利用することになります。
バッテリーを交換して充電の減りが改善することで、外出先での不安がひとつ解消されます。
バッテリーの容量が少なくなっている状態などでは、スマホのCPUが自動的に処理能力を送らせて残量を省エネしようとする機能が働きます。
バッテリー交換で意図的に抑制されていたCPU性能が解放され、通常使用での動作がスムーズに戻ります。
バッテリーの交換は、劣化したバッテリーが原因での発熱が抑えられるので、他の部品への負担も減り操作が軽快になることが期待できます。
また、高温になったスマホを長時間肌に触れさせると、高温やけどになる可能性もあるので早めの取り換えで健康被害も防ぐことができます。
バッテリーが劣化したり残量不足になると、電力不足などで頻繁にスマホのシャットダウンが発生することがあります。
バッテリーを交換することで、使用中に不具合が発生する不安もなく、安心してスマホを使用できます。
バッテリーの劣化に伴い、そのタイミングでスマホを新しく購入し直す方もいらっしゃいます。
もちろん間違いではありませんが、スマホは非常に高価なので頻繁に購入して交換することが難しい商品です。
バッテリー交換は、最新機種への機種変に比べて遥かに安価に使用中のスマホを蘇らせることができます。
スマホバッテリーが劣化する原因や、スマホバッテリーの平均寿命、そしてバッテリーを長持ちさせる延命方法などを解説しました。
スマートフォンは、私たちの生活の基盤となるツールです。
その快適さを維持するためには、心臓部であるバッテリーの状態を常に気にかけ、適切なケアをおこなうことが不可欠です。
前述のように、一般的な使用方法でのバッテリー寿命の目安は約2年〜2年半になります。
また、高温と極端な充電(0%・100%での放置)は最大のNG行動であり、「20%〜80%」を意識した充電が延命の秘訣になります。
バッテリーがヘタってくると、充電の減りや動作の重さが気になってきます。
これが交換のサインになることを覚えておきましょう。
そして、本体の膨らみは緊急事態なのですぐに修理のプロにご相談を下さい。
もし、ご自身のスマホのバッテリー状態に不安を感じたら、ぜひ一度、当店をご利用ください。
プロの技術者があなたのスマホを診断し、最適な解決策をご提案いたします。
データを守りながら、迅速・丁寧に、大切なスマホを蘇らせます。
一般的な寿命は約2〜2.5年(充放電500〜1,000回で初期容量の約80%)。以下が交換検討のサインです。
NG行動:高温環境放置(車内・直射日光・湯気)、「ながら充電」、0%/100%で長時間放置、粗悪な非純正充電器の使用。
延命のコツ:
正規店:純正部品・保証に強いが、初期化が必要な場合や日数・費用がかさむ傾向。
街の修理店:データそのまま・即日〜短時間・比較的安価。独自保証が付く場合あり。
使い分け:保証内や純正指定にこだわるなら正規店/速さ・データ保持重視なら修理店。
膨張時:非常に危険。すぐ電源オフ・使用中止し、持ち運びに注意して専門店へ。
株式会社GO REPAIR 代表 森井優介
5年以上スマホ修理業界に従事する中で、スマホのプロが日本全国誰の近くにもいる社会を作りたいと考え、ゴーリペアを設立。
さらにスマートフォンのプロをより身近に増やすことで、修理はもちろんのこと「もっと快適に使えるように」「大きなトラブルにならないように」したいという想いから、スマホ修理資格の確立したスマホリペアアカデミーの代表も兼務しており、スマホ修理業界をけん引している。